Whoops! Lasik!~レーシック手術の落とし穴

レーシック手術を受けた経験から、レーシック手術の落とし穴を語ります。レーシック手術を考えている人は参考にしてください。

今の私の目の状態

 今まで書くことなく進んできましたが、疑問に思う方もいるかもしれないので、現在私の目がどのような状態か書いてみたいと思います。

 私がレーシック手術を受けて感じたのは、レーシック手術を受けて目が見えるようになってもこんなものか~ということでした。だって眼鏡の時と見え方は対して変わりませんからね(遠方が見えるという意味においては)。そして、違和感を感じたのは、手術直後でした。具体的には、物がかすんで白っぽく見える、朝起きたらまず目薬を差さないとやっていけないくらいに目が乾くというものです。しかし、この違和感をだましだまし生活してきました。なぜなら、クリニックの説明は、ドライアイもハログレアも半年から一年で改善するという説明だったからです。

 半年が経過したころから、レーシック手術の後遺症につき、ずっとインターネットで検索するようになりました。その頃からですかね、自分の目がおかしくなったことに気付いたのは。具体的には、朝目が明けられないドライアイが続いたこと、もちろん目薬を差さない日なんて一日もありませんでした。また、ドライアイのせいかわからないのですが、目薬を差しても目がゴロゴロしたり、痛みが発生するようになりました。なんか、ずーっと目がしみる感じです。目のピントも合わせにくくなり、たまに像がダブったり、自分の目で物をしっかり見ているという感覚がなくなりました。それに、夜間発生するといわれたハログレア現象が、昼間にも発生し、昼間も夜間もギラギラのオンパレードだったこと、簡易的なレッドグリーン検査(視力検査の表の緑と赤のわっかを見てどっちが濃いか答えるもの)で、グリーンのほうが断然はっきり見えたことです。

 この中でも個人的に一番きついのは、昼間発生するハログレアです。例えばテラスから明るい光が差すスタバの室内灯がLEDだった場合、明るいにもかかわらずこの光源にハログレアが発生する。太陽の光に極端に弱くなり、空を見上げることができなくなりました。曇りの日ですら雲の後ろの太陽のせいで、雲全体にハログレアが発生します。炎天下の中歩くサラリーマンのYシャツに太陽光が当たっているのにもハログレアが発生しているときには発狂寸前でした。逆光に立っている人や物はハログレアによって、光に包まれているようになり、見えなくなりました。車のガラスの反射光とかも死ぬほどつらいです。まさに、下の画像のように見えるのです。こんな状態ではまともに外に出られなくなりました。

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 また、他のレーシック難民の人にも生じている過矯正に自分がなったのかと思い5件ぐらい眼科を回りました。オートレフで検査してもどこの眼科でも、左目+0.25、右目+0.5くらいの遠視です。これは、ごく軽い度数にみえます。しかし、左目+1.25、右目+1.5の眼鏡をかけても片目の視力は1.0くらいを保てるんです。このことから、多数の医院で、潜伏した遠視がもっとあるとのご指摘を受けました。遠視のせいか、頭痛や眼精疲労を毎日感じるようになり、体力がなくなりました。以前は、ゲームパソコン徹夜でドントこいという目だったのに、勉強も含め近所の作業が辛くなりました。

 この時期ぐらいから、目のことしか考えられない生活になりました。それと同時に、どうして私だけなんだという感覚にとらわれました。私の周りで数名レーシック手術を受けた人がいましたが、至って経過が順調だったからです。自分の目がこんなになるまでは、レーシック難民は眼鏡業界の人が嘘で記事を書いているのではないかと思ったりしていましたが、難民の存在は本当でしたね。レーシック難民の人のブログを信じて、こんな手術受けなければよかったと、死ぬほど悔やみ、自分に対しての怒りもわきました。

 目が気になり、毎日現状の解決策を調べるが、有力な情報はない。自分が精神病になったから症状が出たのではないかなどと考えましたが、私の場合は目に症状が出てからそれにより精神がむしばまれていったのです。自転車に乗ったり、外で写真を撮ったり、アウトドアが好きだったのにできなくなりました。そうすると、好きなこともできないのかと絶望感が募り、鬱っぽくなって精神科のお世話になることになってしまいました。一度首を吊ろうと自殺未遂でいきました。幸い、今は死ぬ気はないので、薬を断薬して生活しています。でも、このまま一生この状態なのかと、絶望する毎日ですよ本当に。

 しかし、一点だけ他のレーシック難民の方とは異なるところがあります。確かにハログレア現象に悩まされ、光に弱くなったが、幸いパソコンをすることは何ともないんです。もちろん、眼精疲労や頭痛はありますが、パソコンの光で目がいたいということがないという意味です。ですから、病院の予約を取ったり、こうしてレーシック手術の危険性を知ってもらうためにブログを書くことができるんです。これだけでもましだと思います。中には、私よりも数倍症状がひどいのにお仕事を続けている、レーシック難民のくろねこさんや染井さん、バッジョさんがいます。この人たちのブログにどれだけ助けられただろうか。こんな軽い症状で悩んでいる私は、レーシック難民といっていいのか正直わかりません。彼らのように、理不尽な手術で逆境に立たされ、奮闘する人がいる以上、自分もくじけずにしぶとく生きようと思うようになりました。これから、レーシック手術の後遺症に悩み、家に引きこもるしかなくなった人に希望を与えられるように、レーシック手術の現状を知ってもらえるように、このブログはずっと続けていきたいと思います。更新頻度が少なかろうが、しょうもない記事しか書けなくともです。

 最後になりますが、レーシック手術の後遺症を負った人は案外います。外見で気づかないか、外にでられないだけです。そして、彼らが述べる苦悩はウソではありません。私がレーシック手術前嘘だと思ってしまったように、みなさんにもそう思ってほしくない。まぁ自分がなっちゃったから都合のいい我儘かもしれませんが。でも、せめてみなさんには今の生活をつぶすようなことはしてほしくない。もう一度その手術が必要か考え直してほしい。そう思います。

 今回は特に自分のことだけで有益な情報は書けませんでしたが最後まで読んでいただきありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

 

落とし穴第三弾!~ハログレアの巻~

 レーシック手術においてドライアイは必ず発生するとお伝えしましたね。今回取り上げるハログレア、これもレーシック手術を受けた人に必ず発生するといわれている症状です。それでは見ていきましょう。

 

 レーシック手術は、レーザーで角膜を削ることによって行います。削った部分の角膜と、削っていない角膜では光の屈折率が異なり段差のようになってしまいます。デコボコなガラスに光を通した場合、光が一つの焦点を結ばず、拡散してしまいます。これと同じく、目の削った角膜と削っていない角膜との間で光が拡散する現象がハログレアといわれています。

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 ここでいうオプティカルゾーンとはレーシック手術によって角膜を削った場所です。昼間は、目の瞳孔は小さくなります。したがって、瞳孔よりもオプティカルゾーンが広いわけですね。この状態では角膜の削った部分を通った光だけが目に入ることとなります。ですから、デコボコの段差を光がとおらずハログレアは生じないとされています。反対に、夜は瞳孔が広がります。そうすると、瞳孔がオプティカルゾーンよりも広がります。これにより、角膜の削った部分と、削っていない部分を通した光が目に入ってくることになります。この段差により光が拡散し夜間にだけハログレアが生じるといわれます。

 厳密には光源の周りに輪が重なって見える状態であるハロー現象と、光源がぎらつき光の筋が見えるグレア現象は異なります。しかし、レーシック手術を受ける人はどちらか片方の症状だけ出るというのはまれで、両方に見舞われます。これらをまとめてハログレア現象と呼びます。言葉だけではイメージできないでしょうから画像で説明します。↓↓

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 レーシック手術を受けていなくても、乱視が強い人や瞳孔径(瞳孔の大きさ)が大きい人にも表れる症状です。健康な目の人でも、ハログレアが発生する人もいるんですね。このハログレア現象、今まで語ってきた落とし穴と同じく、なめてかかると怖いこととなります。画像を見て、へぇこの程度か、眩しいんだね。とか思うかもしれませんがそんなもんじゃないです。ハロが発生して光がにじんだ場合、その輪の後ろにある物は見えません。ハロー現象が大きく発生すればするほど視界の範囲が奪われるわけです。そして、グレア現象による眩しさは、太陽の眩しさと同じで、目に光の矢が飛び込んでくるように激しいものです。さて、ここで問題です。皆さんが過ごす生活環境において、夜間光がない環境がありますでしょうか。車が大通りをバンバン通過し、道にはたくさんのお店が立ち並んでいるこの現代において、ハログレア現象は致命的なんです。

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 夜間の道路においてハログレア現象が生じた場合です。こんな状態で物をしっかり見て運転したり、道を歩いたりできますかってことなんです。まぁほとんどの人はなってみないとこの恐怖がわからないかもしれませんね。でも、ちょっと待てよと。レーシック手術後に絶対にハログレア現象が生じるなら手術しなければいいじゃない?って思いませんか。ごもっともです。ここに一番の落とし穴があります。

 レーシッククリニックは、ハログレア現象を恐れました。だって、こんなものが生じるならだれもレーシック手術を受けてはくれません。だからレーシッククリニックはハログレア現象について次のように説明するんです。

 レーシック手術後に、夜間ハログレア現象が生じる場合があります。ただ、この現象は半年から一年で改善され気にならなくなります。

 自分で書いていて、こんな誘い文句にだまされた自分に腹が立ちます。前回の記事でも取り上げましたが、レーシッククリニックはデメリットをまず挙げるんですよ。でも、改善するから大丈夫って言うんですよ。お医者様がね。また、説明に用いられるハログレア現象の画像が、非常に控えめなものなんですよ。このような宣伝にだまされてレーシック手術を受けた人は落とし穴にはまります。また、もう一つの落とし穴があります。それは、レーシック手術前の人に、ハログレア現象がどのように見えるかシミュレーション不可能なこと、レーシック手術によってハログレア現象がどれだけ生じるか全く予測できないこと、人によって光の感じ方に個人差があることです。

 視覚の変化に敏感でない人や、もともと手術前からハログレア現象が生じていた人は、多少のハログレア現象には耐えられるでしょう。しかし、視覚の変化に敏感で、手術前にクリアな視界を持っていた人には少しのハログレア現象も耐えられないかもしれません。また、上記で、ハログレア現象には瞳孔径が関係しているといいましたが、瞳孔径が大きい人でもハログレアを感じない人、瞳孔径が小さい人でもハログレアを感じる人がいるんです。これについては以下のリンクが参考になります。http://www.entani.com/kinshi.html#lasik09-2

 こんな不確定なことを上記の説明で説明しきっていると思いますか?おかしいでしょう?レーシッククリニックはハログレア現象のメカニズム、個人差があることを知っててそんな説明してるんですよ。ですから、正しい説明としては

 レーシックによりハログレア現象は必ず発生しますが、その発生の程度、回復には個人差があり、最悪の場合ハログレア現象が後遺症となる場合があります。また、その度合いによっては、夜間車の運転ができなくなる場合があるので、職業ドライバーは失職のおそれがあります。

 だって、インフォームドコンセントとは必要な医療を受ける場合、正しい選択ができるように情報を与えて納得させることでしょ?なら、最悪の場合こうなるって説明しなきゃだめですよ。これを見てレーシック手術を受ける人はまれだと思いますが、こう説明されても受ける人は受ければいいんですよ。完全なインフォームドコンセントがなされたんですから。まぁその場合にも実際に重度のハログレア現象が生じれば絶対に耐えられなくなると思いますがねぇ…

 はぁ、Whyレーシッククリニックと叫びたくなりますよ(もう古いネタかな?笑)。なぜレーシッククリニックはこんな説明をしたんだろう。人が後遺症を負ってもなんとも思っていないのだろうか。医師の倫理観ってそこまで地に落ちたものなのか。レーシック手術が人を豊かにするものと信じて手術したのならば後遺症に対して回復のためのまともな研究をして、レーシック手術による後遺症を負った人を救ってほしい。レーシック手術を受けた眼が日本国内で累計100万眼以上を軽く突破しています。レーシック手術は1つの目に対してカウントされますから、普通両眼手術しますから日本では約50万人以上が受けたことになります。そのうち満足度が95%ほどです。たとえ重篤な後遺症を負った人が1%だけだとしても約5000人以上いるはずなんですよ。一億総活躍社会じゃないんですか。こんな目では活躍できませんよ。一刻も早く後遺症の治療方法が研究されてほしいです。切実な願いです。(数のデータhttp://www.gankaikai.or.jp/press/20160616_3.pdf

 

 皆さんはレーシック手術を受ける場合はクリニックの説明だけにだまされずに、これでもかというくらい情報収集してください。そうじゃないと私みたいに落とし穴にはまっちゃいます。今回も最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。

レーシック医院に思うこと~最近の動き~

 最近レーシック医院の宣伝方法がレーシックからICLへ移り変わっているように思えます。これは非常に危険な事態ですよ。なぜかって?大手美容系クリニックがこぞって宣伝しているからですよ笑

 大手クリニックはお金も持ってるのでグーグルでバンバン広告を載せています。例えば、神戸神奈川アイクリニックや品川近視クリニックです。こういうクリニックの宣伝はお金の力で常にトップに表示されるようになっています。また、安心レーシックネットワークのレイ眼科クリニックのグーグル広告も出てきました。

 これらのクリニックの広告を実際に見てみると、レーシック手術を受けた私は怖さを覚えます。なぜかって?↓この表示を見てください。あえて大きく挿入します。

www.kobe-kanagawa.jp

www.shinagawa-shoyukai.com

ICL(有水晶体眼内レンズ)手術|治療と手術|医療法人社団 医新会

 何が怖いって、うたい文句がレーシックに代わるワンランク上の視力矯正ですよ。レーシックがダメだったからこっちでいきましょう感がハンパないです。また、これらのサイトを見てみると、レーシックが不適応の方を積極的に誘引している。ICLにはレーシックとは異なるICL独自の後遺症があります。そうした後遺症には触れていませんよね。ICLは角膜に対する手術であるレーシック手術と異なり、眼内に行う手術です。ですから、眼内感染症、これに伴う失明の確率はレーシック手術の比じゃありません。また、ICLはレンズを抜去することで手術前の目に戻ることができるとしていますが、一度重篤な合併症になった場合はレンズを元に戻しても変わりません。だって感染症が起こってからとか、再生しない角膜内細胞が減少してからではレンズ抜去してもなにも変わらないでしょう。また、レーシックと同じく、眼内レンズの光学径によるハログレアの発生もあります。これらを無視して、レーシックよりいかにICLがすぐれているか。この一点の宣伝につきます。この手法はかつてレーシック手術において取った方法と同じなんです。

 

レーシック手術の場合~

①ドライアイがあり得る→半年で改善しますから大丈夫です!

②過矯正や低矯正が起こりえる→再手術もできるから大丈夫です!

③ハログレアが起こりえる→半年で気にならなくなるから大丈夫です!

 

ICL手術の場合~

①レーシックでは視界の質が下がります→ICLなら大丈夫!

②レーシックでは近視戻りがあります→ICLなら大丈夫!

③レーシックではエクタジアがあります→ICLなら大丈夫!

 

 これらの広告の仕方でレーシックの頃から変わっていないのは、まず軽いジャブのようなデメリットを挙げたうえで、でも大丈夫ですよ、対策があるのでデメリットなんてないですよというところなんです。こういう説明をされると、最初はデメリットについて怖がって敬遠していた人も、心理的に肯定的になりやすいんです。ICLではレーシック手術が問題になってしまったのを逆手にとって、レーシックでの反省点を踏まえているから大丈夫と、技術がさも成熟しデメリットがないように書かれています。誤解がないように、上記レイ眼科クリニックは合併症の紹介があったといっておきますね。安心レーシックネットワークなだけに美容系よりはましなんでしょうか。まぁどこでもレーシック難民は出ているんですがね…

 また、百歩譲ってICLが安全だとしましょう。だからといって、大量にレーシック難民を出している、患者のことを考えない分業体制のベルトコンベアークリニックである美容系クリニックに安全に手術する腕はないし、アフターフォローもできないと思っちゃいますよ。レーシック手術の時のように問題が起きても様子を見ましょうなんでしょ?

 はぁ、なんで好き好んでレーシッククリニックの宣伝広告まで引用して危険性を訴えなけりゃならんのだよ。厚生労働省仕事してくれよ、自民党はやく規制法作ってくれよ。どうして医療である手術が宣伝されるんですか。医師の倫理ってなんなんですか?たとえ手術によって利益を受ける人が圧倒的多数であったとしても、その反面手術の後遺症で泣く人が相当数いるならやるべきじゃないでしょ。子宮頸がんワクチンもそうだけど、健康な人を障害を負った人に変えちゃうんですよ?子宮頸がんワクチンの場合は、将来の重篤な病気であるガンを避けるためであり、勧める医師がいるのも分かります。これに対して、やる必要のないものなんだ、レーシック手術って。それを広告し消費者増やして私腹を肥やしている医師がいてたまるかよ。誤解がないように言いますが、別にレーシック難民のほうが悲惨だという意味ではないですよ!日常生活を過ごせている私よりも彼女たちのほうが悲惨です。子宮頸がんワクチンの問題でも、患者のツイートに心無く精神病だといったり、だったらワクチンのせいで傷害負った証拠だせよという倫理のへったくれもないクソ医師はレーシック手術と同じようにいます。彼女たちも我々と同じく一刻も早く救われてほしい。心からそう思います。こう書くと、自分で選んで何も考えずにレーシック手術受けた奴と一緒にするなと思われるかもしれませんが、私もインフォームドコンセントなしに、適切に手術を選ぶ権利を奪われて手術しちゃったわけですから…すいません、話がそれましたね。

 とりあえずレーシック手術してるクリニック勧めているICLには、レーシックと同等、それ以上のリスクがあります!くれぐれも簡単に手術を受けないでくださいね!

最後に~

 そういえば、アカウントを作るだけ作って放置していたツイッターを始めてみました。レーシック手術を受けて困っている人に有益な情報は提供できないかと思いますが、適当に日々起こったこととか、思ったことをつぶやいていきたいと思います。

 今回も最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。今後もよろしくお願いします。

ドライアイの治療

 レーシック手術の落とし穴第二弾で取り上げた、レーシック手術の後遺症であるドライアイ。これ、どうやって治療していけばいいんでしょうか、また果たしてレーシック手術によるドライアイは完治するのかについて語っていきたいと思います。

 

 ドライアイの治療、これは一言でいって対処療法だと思います。あくまでも、ドライアイになるメカニズムを根本的に治すのではなく、なったとしても涙を補うという形ですね(後述するムコスタは除きます)。

 

①人工涙液

 この治療法はいたって簡単。目が乾燥して困る?なら涙を足せばいいじゃない、ということです。涙液減少型のドライアイで用いられる方法です。ヒアレインという目薬が良く使われます。ですが、BUT短縮型ドライアイ(涙の質が悪くなって起こるドライアイ)についてはあまり効果がありません。このBUT短縮型ドライアイについては、最近では新しく認可されたドライアイ専用目薬であるジクアスとムコスタを使うことが多いと思います。

 ジクアスとムコスタは地味に効果や使い勝手が違います。ムチンが減り涙の質が悪化するドライアイを治療するため、ジクアスは杯細胞のP2Y2受容体に働いてムチンの分泌を促します。これに対し、ムコスタは杯細胞自体を増やします。涙の質改善のアプローチが違うわけです。使い勝手については、ジクアスがいいです。ムコスタは一回使い切りなことに加え、混濁した液なのでそれを振る必要があります。また、使用後は目がかすんだり、目薬が鼻から喉に抜けてとても苦いという副作用があります。

河本眼科さんのHPが見やすかったです→ドライアイとムチン | 川本眼科(名古屋市南区)

 ヒアレインやジクアスは涙を量を補ったり、質を適宜改善することでドライアイを治療する対処療法です。これに加え、ムコスタは杯細胞自体が増えるので、それにより涙の質が改善されればドライアイが完治することがあり得ると考えられます。

 

②涙点プラグ挿入

 この治療方法は、目頭付近にある涙点にプラグをして、涙をせき止めて目を潤す方法です。目には上涙点と下涙点がありますが、ここから涙が鼻の方に流れていきます。お風呂の栓をしてお湯をためるように、ここに0.5ミリほどの小さなプラグをして涙をせき止めます。主に、涙液減少型のドライアイに対する治療です。これも、ただの対処療法です。挿入するプラグがシリコン製で永久に使用できるものと、コラーゲン製のプラグで1か月ほどで溶けてなくなるものとがあります。この治療法のデメリットは、シリコン製のプラグの場合、脱落してなくなることがあること、涙点の中の涙管に詰まったり、肉腫ができる恐れがあることです。コラーゲン製のプラグの場合定期的に挿入する必要があることです。両者に共通の欠点として、涙点に栓をして涙をためる以上、目の汚れが排泄されずたまることで、眼病にかかりやすくなることがあります。

 

③自己血清点眼

 人工涙液と異なり、涙と全く同じ目薬は開発されていません。しかし、人体では血液から涙を作り出すのであり、そこからヒントを得て、自分の血から涙と同じ点眼液を作ろうというものです。デメリットは、自分の血液から作ることから、定期的な採血が必要であること、この治療法を実施している病院が少ないこと、血清の保存期間が短いことです。

 上記で一般的なドライアイの治療を書いてきましたが、これはほぼすべて対処療法であります。ドライアイは完治が難しいんですね。唯一ムコスタを用いた方法に希望の光が見えるくらいですかね。

 

 さて、これらの治療がレーシック手術後のドライアイに通用するか。私の答えはNOです。以下理由を述べます。

①の方法については、そもそも三叉神経を物理的に切断した目には何の意味もないです。目薬を差している間だけ潤って、その後すぐに乾燥に襲われます。たとえ、ムコスタを使って杯細胞を増やしたとしても、三叉神経が切断されている以上意味がないんですね。結果、ジャバジャバ目薬を使うことになって、目薬だけでアート作品が作れる状況になります。また、目薬をすぐに差さないといけない、それを持ち歩かないといけないこと自体が負担です。レーシック難民で有名なブロガーのレンコンさんのサイトを引用しておきます↓

素晴らしい?アート作品が見られます笑

lasikganni.hatenablog.com

②の方法について、主に涙液減少型のドライアイに用いられます。レーシック手術後は涙液が減少するだけでなく、ムチンも減り涙の質も悪化するため、涙の量が補われても意味がない場合が多いです。また、涙点プラグには涙道閉塞症のリスクがあります。よって、これも適切な治療にはなりえません。シリコンプラグならいつ涙点プラグが取れてしまうかといった心配や、コラーゲンプラグなら永遠の通院と費用がかかることになるんですから。以下、くろねこさんのブログを引用しておきます。

kuroneko.hatenadiary.com

③の方法についてです。ですからさっきから目薬は意味がないと……三叉神経回復してくれよと…それにこれは普通の目薬とは異なり費用がとても高い、頻繁な通院、血液採取という体の負担を考えると効果に見合った治療ではないです。

 

結論

レーシック手術によって発生したドライアイは三叉神経が回復しない限り治りません

 レーシック手術を受けて一時的なドライアイになった人は、その間は目薬などでしのいでますが、これでドライアイが完治したわけではなくて、ただ神経が回復しただけです。神経が回復しなかった一部の人にとっては打つ手のない後遺症なのです。ですから、レーシック手術を行った医院に行っても、目薬処方しましょう。様子を見ましょうとしか言われません。困りましたね……慶応大学さんがマウスを使って角膜の神経が回復する治療薬を開発中とのことです。これにすべてをかけるしかないですかね。

https://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2012/kr7a4300000b5j5h-att/121110_1.pdf

 

 次回は、レーシック手術の落とし穴第三弾!ハログレア編をお送りしたいと思っています。最後までお読みいただきありがとうございました。これを読んでくれるみなさな一人一人がレーシック手術問題の解決のための礎であると信じております。