Whoops! Lasik!~レーシック手術の落とし穴

レーシック手術を受けた経験から、レーシック手術の落とし穴を語ります。レーシック手術を考えている人は参考にしてください。

クロスリンキングについて~リスク説明の落とし穴

 どうもマニパニです。最近急に寒くなって雨も降るし体がガタガタ震えてしまいますね。みなさん風邪ひいてないですか?

 

 さて、表記の通りですが、今日はクロスリンキングについてお話したいと思っています。クロスリンキングもレーシックと同様に新しい術式であり、レーシックについて検索する中で発見した人もいるのではないでしょうか。

 

 クロスリンキングとは、円錐角膜の治療に用いられる手術です。そして、円錐角膜は乱視と異なり、眼球がゆがんでできるものではなく、角膜の一部(中心とは限らない)が急激に突出する病気です。まれな病気ではないもののあまり認知されにくかったりします。なぜなら、角膜の突出は徐々に起こる場合もあるからです。最初は「最近物が見えにくくなったなー」と感じる程度の人もいて、それが長く続いてそこまで悪化しない人もいるみたいです。

 症状としては、角膜が突出することによって、乱視のような像のダブりが出たり、光が眩しくなったり、レーシック手術同様にハローグレア現象が生じます。初期段階はそれらの症状もわずかですが、突出がひどくなるにつれて視力が出なくなります。角膜の形がいびつに歪んでいるので眼鏡では矯正できなくなります。この場合、角膜の形を矯正することができるので、ハードコンタクトレンズによる矯正が最も良いとされます。これでも視力が出ないなら、最終的には「角膜移植です」。目をこする等の行動が原因ではないかともいわれますが、はっきりとした原因はわかっていないです。

 角膜が突出するのは角膜がある程度の柔軟性を持つからなんです。やわらかいから内側から押されて角膜が突出する。そうであるならば、角膜を固くしましょう!ということでできた手術みたいですよ。具体的には、角膜を固くする効果のあるリボフラビンビタミンB2)を角膜に含ませて、その上から機械で紫外線を当てます。すると角膜が固くなるのです。ちなみに、レーシックと異なり、レーザーで角膜を削ったり切ったりはしない手術です。

 

 さて、円錐角膜の患者さんを助けることに一役買ったクロスリンキングですが、皆さんネット上で「クロスリンキング」「リスク」で調べてみてください。なかなか詳しいサイトは出てきません。保険がきかないので高額な費用の説明ページはたくさんあると思いますが、肝心のリスク情報があまりない。そして、調べてみればわかると思いますが、真っ先にヒットするのは、「レーシック+クロスリンキング=角膜強靭プラン!」的なレーシックサイトなんですね。

 先ほどクロスリンキングは、角膜の突出を防止するといいました。角膜が突出するのは円錐角膜だけじゃないんです。レーシック手術には、エクタジアという最悪の後遺症があります。これは、レーシックによって角膜を削りすぎたため、角膜が眼圧に耐え切れず突出してしまうのです。具体的には、円錐角膜と同じことが起こり、最終的には角膜移植もありうる病気です。

 レーシック手術は角膜を削る=弱くする以上、このエクタジアを100%防ぐことはできません。そこで、悪徳レーシッククリニックはクロスリンキングに目を付けました。

 「レーシックでは角膜移植の危険のあるエクタジアが生じる可能性があります。これを予防するため、レーシックで弱くなった角膜をクロスリンキングで強靭にする最新のレーシックができます!」

 こういうこと言って、レーシックにクロスリンキングを使い価格を上げて利益を増やしているんです。

 「角膜移植の可能性があるエクタジア!」「なったらもう視力矯正は不可能!」

⇒「でもこれなら予防できます」

 といつも通り、患者の心配を誘っておいて、でも大丈夫!商法をするんです。金払ってクロスリンキングしないとエクタジアになっても知らないよ?とまで言われることもありますからね。

 

 そして、この悪徳商法、なんとね、クロスリンキングについてのリスク情報は一切提示しません。もちろんリスクがあるんですよ。でも、レーシックのリスクを減らすために併用するものだもの。患者さんからすれば、それは安全だと思うし、ましてやお医者さんが隠しているリスクがあるなんて思いません。じゃあどんなリスクがあるか?

 

 そもそも、クロスリンキングは円錐角膜の治療のためで「レーシックが原因の突出予防」のための手術ではありません!安全性は確立されていません。また、医師の間でもこれをエクタジア予防に使用するのは賛否が分かれています。一部の医師は患者を実験にすることはあってはならないとまで言っているようです。そして、上述のように、目に紫外線を当てます。これにより、角膜が薄い場合はリボフラビンを角膜に浸透させても紫外線が網膜に届いて害がおよぶ可能性があります

 ん?角膜が薄い場合は紫外線が網膜に届いて害がおよぶ

………強度近視の人ってレーシックするときにたくさん角膜を削るわけです。中には悪徳クリニックに、一回の手術で再手術が不可能になるほど削られている人もいるんです。そして悪徳クリニックはそんな人に対してね、「君はたくさん削るからエクタジアのリスクが高まりますよ!でもこのクロスリンキングで角膜を強靭にすれば予防できるよ!」とささやくのです。結果どうでしょう。角膜をたくさん削られてエクタジアのリスクを高められただけじゃなくて、必要のないクロスリンキングによって網膜すら傷つけられる患者の出来上がりです。

 ほんとね、こいつら人間なんですかね?眼科医の中にはとてもまじめに円錐角膜の治療に取り掛かられ、きちんとクロスリンキングのリスクについてありのままを明記しているクリニックもあります。例えば、遠谷眼科さんのHPとか

www.entani.com

 HPを見たところ、この眼科ではレーシックとクロスリンキングの併用は行っていないです。それなのに、円錐角膜の患者に向けてきっちりリスクを説明する記述をしています。学会での体験談もありのままにかかれています。

 それなのに悪徳クリニックでは、安全性が確立されてもしないのにリスク説明すらせず、それによってレーシックに付加価値をつけて金をふんだくろうとしているのです。どうですか?今まできっちりリスク説明をし、レーシック難民を出していないクリニックなら「金をふんだくろうとしている」なんて口の悪いことは言いません。レーシックとクロスリンキングを併用した手術をリスク説明なしに行っているクリニックは、レーシック難民を生み出しているクリニックです。だからこんな口の悪い書き方をしているんです。いまさら、患者の利益のためにクロスリンキングしてますよーっていえますか?ならなぜなんのリスクも説明しない?

 もうやっていることがむちゃくちゃなんです。医者どころか、近所のマクドナルドでもこんなずぼらなことはしませんよ。自由診療って何してもいいんだね。そうとしか思えない。恩恵を受けている人がたくさんいる。そのたくさんの人が受けた恩恵の総量分だけ、少数のすさまじい後遺症を負った患者が作られている気がしてなりません。

 

 愚痴交じりになりましたが、最後のまとめ

1.クロスリンキングにはリスクはあるが、円錐角膜患者にとっては有効な治療法です。できるだけ早期発見としてできるだけ手を打ってください。

2.クロスリンキングはレーシックと併用することの安全性は確立されていない。

3.現状で上記併用手術を行うのは悪徳クリニックが多いのでお勧めしない。

 ということですかね。こんかいは久々に少しは役に立つ情報が書けたかなと思います。ツイッター上でのやりとり、ブログのコメント(ブログに載せていないコメントも含む)などで皆様に支えられ何とか生きています。これからも皆様の力をお貸しください。そしていつかいろんな患者が救われますように。

 本日も最後までお読みいただきありがとうございました。