Whoops! Lasik!~レーシック手術の落とし穴

レーシック手術を受けた経験から、レーシック手術の落とし穴を語ります。レーシック手術を考えている人は参考にしてください。

レーシック後遺症を負った人~いろんなタイプ

 久々の更新になります。ここ最近少し気分がのらなくて落ち込んだ日々を過ごしていました。未だ私の状況は変わりません。ただ、目の痛みを感じることは少し減って来た気もします。

 さて、ふと思ったのですが、レーシック手術の成功ってなんだろう、失敗ってなんだろう。後遺症を負った人も様々です。また、後遺症を負ったとしてもそれに気づかず生活している人、妥協して生活している人、様々だと思います。そこで今日は、レーシック手術による後遺症を負った人をタイプ分けしたいと思います。

 

①手術によって、明らかに目に異常が出ており客観的数値で証明されている人

 この人は、いわゆるレーシック難民といわれ、今まで記事にしてきたように、現状では後遺症の治療のすべがない人をいいます。症状は様々であり、過矯正による眼精疲労、ドライアイ、眼位異常、ひどいハログレア等に加え、人によっては目の周りの締め付け、首や肩のしびれ、めまい、吐き気などがあげられます。眼位は通常、急激に変化することはあり得ません。染井さんのブログを見ても分かるように、眼位が異常なほどずれてとんでもないことになっています。また、バッジョさんも眼位について同様だと思います。また、レンコンさんは過度な過矯正のようで、+1などの甘い数値ではないみたいですので、これも客観的データから明らかに過矯正であるといえます。

 私見ですが、上記の有名なブロガーさんたちはたとえ裁判になっても、十分勝訴の可能性があり、きっちり証拠を挙げることができると思います。だって、データ上明らかに異常が出ているし、本人の自覚もありますからね。真っ先に救われるべき人だと思います。もちろん、レーシック手術は失敗したものと考えられます。

※10月4日加筆分

「よく起こる症状にスポットを当てていたので、最大の後遺症であるエクタジアについて書き漏らしていました。レーシック手術によってエクタジアを発生した場合、レーシック手術によって”視力をあげる”という目的すら達成できなくなります。最終的には角膜移植がありうるほどの症状です。もちろんエクタジアを起こした場合は、レーシック手術の禁忌を犯したわけですから失敗に決まっていますよね。」

 

②手術によって、目に異常を感じておりそれが多少の数値の異常が確認できる人

 これは私の場合です。目の状態の自覚症状と釣り合うほどの異常な過矯正はなくとも多少の遠視が出る。また、私は眩しさにめっぽう弱くなってしまいましたが、術後の収差の値が増加しています。ただし、収差が上がることが=眩しさの自覚につながるという明確なデータはないので、その点については客観的なデータがないのです。ドライアイについても同様ですが、目の状態の自覚症状と、数値が釣り合わないパターンです。厳密にいえば、レーシック手術によって、本来あるべき数値からはずれている。これによって、不具合が出ているとも言えますが、それが確実なデータを持っては言えません。裁判で戦うには厳しいラインだと自分でも思います。ただし、私はこのケースでも、レーシック手術は失敗したと考えます。なぜなら、多少なりともデータに異常が出ていること、何より手術後明らかに目の状態が異常だからです。

 

③手術によって、目に異常を感じているもののそれが数値によって証明できない人

 これは、くろねこさんやかえでさんのように、目を一秒も開けていられない、失神しそう、突発的に自殺したくなるほどの激痛を感じる人が例として挙げられます。現状では、この痛みを数値化したり、目の三叉神経をナノレベルで観察することができません。ですから、医師は心無く精神疾患だといったりするのです。確かに、心療眼科という概念を提唱した若倉雅登は、データ上異常がないのに目の異常を感じる人を術後不適応症候群と命名しました。これは割とどの手術でもあるようで、手術後鬱になっちゃったり、原因がないのに痛みが永続することがあるそうです。

 こういった症状は一番厄介です。なぜなら、解明不能だが技術が進歩すれば観察可能になる可能性があり、異常があるのに、現状ではそれができないことから心因性によるものだとされることもあるからです。確かに、データ上問題がないのに異常な症状を訴える人の中には心因性の症状もあると思います。しかしそれならば、心療内科など心のアプローチで治るものです(簡単には治らないし何年もかかるとは思いますが)。

 私個人としては、くろねこさんの目の異常な痛みも、かえでさんの目の異常な痛みも到底心因性だとは思えません。なぜなら、彼女たちのブログからわかるように、すでに精神科にも通院歴があり、向精神薬を服用したにもかかわらず痛みに関しては一ミリも効果が感じられないことがうかがえるし、それによって生活ができなくなるほどの症状を抱えているからです。

 心因性の場合、もともとのその人の心理傾向、周りの同情を引いたり、一種の悲劇のヒロインになれるなどの要素が影響しているとも言われます(批判したりするつもりで書いているわけではないですよ)。しかし、彼女たちの場合、ブログからレーシック手術以前から精神科のお世話になっているようには思えないし、いわゆるハイジのクララのように心因性の病を発生させやすい少女ではありません。また、レーシック問題は悲しくも世間の認知も低く、これを装うことで周りの同情は引けず、むしろ他人からは正常に見えるため、ネット上などでも異常な嫌がらせにあったりします。このような現状があるにも関わらず、彼女たちは痛みを訴え続けています。ですから私は、彼女たちは心因性の痛みを抱えているのではなく、本当に死ぬほどの痛みが目に発生していると思うんです。

 この場合も裁判でこれを証明するのは難しいと思いますし、医師としてはレーシック手術は成功したというでしょう。しかし、この場合においても私はレーシック手術は失敗だったと思います。なぜなら、レーシック手術は本人のQOLを向上させるものに他ならないのに真逆の結果になっているからです。確かに、どの手術でも心因性の疼痛などが発生することがあり、それに関しては術前のスクリーニングもできないことから手術は成功、あとは患者が問題解決のために頑張っていくしかないと思います。しかし、くろねこさんやかえでさんのケースでは、証明しようがないが確かに身体的そこに症状があるのです。裁判関係なしにこれを失敗といわないで何を失敗というんだという感じです。

 

④手術によって、数値的には明らかに異常な値が出ているものの何も感じていない人

 この人はあまりいないと思います。なぜなら、数値的に明らかな異常が出ていれば、絶対に身体的につらい状態にあるからです。まぁ仮にいたとしても、この場合ももちろんレーシック手術は失敗です。本人が何も感じていなくとも、レーシック手術は患者のQOLを考慮し正しい矯正(正視)をすることはもちろん、当たり前ですが視力だけでなくほかの涙液や眼位の状態に異常をきたさないことは前提だからです。胃を手術するとして、手術が成功してもその下の小腸を傷つけましたってことが通らないのと同じですよ。このケースも裁判で勝訴の見込みがある物と思います。まぁ異常を感じない以上裁判自体が生じえませんがね。

 

⑤手術によって、数値的に多少の異常が出ているが何も感じない人

 ここに該当する人はかなりの数、いや大半の人がそうだと思うんです。ナントかネットワークの医師の人は、こんなデータは現場からかけ離れていると難癖つけていますが、レーシック後約半数の人が副作用を生じたというリサーチが公表されて記憶に新しいです。そして、「レーシックして快適だよ!」と手放しにいう人よりも、「多少のハログレアはあるけど快適だよ!」「ドライアイだけどコンタクトの時よりましだし快適だよ!」などこういった人が多いのではないでしょうか。よくインターネットの掲示板でもこういった書き込みを見ます。でも気づいてください、あなた後遺症を負っているんですよ。我慢できる範囲だから生活で来ているけど、一歩間違えば重大な後遺症になっていたかもしれない。それに、快適だという人もドライアイやハログレアがなければもっと快適に決まっているしそれがいいに決まっていますよ。多少のドライアイやハログレアでも後遺症として永久に続くのであれば失敗なんですよ。だって、クソレーシック医師がいうには、その症状って半年で収まる人が大半なんでしょ?簡単に治せるんでしょ?じゃあずっと症状続いている時点で失敗じゃないですか…厳密な意味で手術にはリスクが絶対にありますが、そういう域ではなく、本来はQOLの向上のためにする手術なのに、QOLを害するハログレア、ドライアイが確実に発生するレーシック手術ってなんなんですかねぇ。私はこのケースですらもレーシック手術は失敗なんだと思います。

 

⑥手術によって、数値的な異常もでていなければ異常も感じない人

 この人のみがレーシック手術に本当の意味で成功し、眼鏡のいらない快適な生活を享受している人だと思います。もちろんこれに該当する人はたくさんいると思います。すべてのレーシック医師は、これを目指す責務があります。レーシック手術導入の初期には研究結果も実績も少ないことから仕方がない面があったと思います。しかし、ある程度後遺症を負った人の情報を得た後は、手術をやめて後遺症患者のケアを徹底する。または、徹底したインフォームドコンセントを行い、レーシック手術には重篤で永続性のある後遺症が起きうることを認めたうえで、同意したもののみに手術を行うのどちらかを選ぶ必要がありました。しかし、美容業界が牛耳るレーシック業界はどちらの道も取りませんでした。

 後遺症の問題が明るみになれば、ビジネスとしてのレーシック手術がつぶれる。だから、美容整形などと同じく気軽にできる雰囲気を出して、文言をごまかしたインフォームドコンセントをして、さらに顧客獲得のためネット上でガンガン広告を出してサクラも使っちゃおう。という道ですよ。あ、もちろん中にはインフォームドコンセントを徹底するという道を取ったクリニックもありますよ。ごくわずかですがそういうクリニックはあります。そして、そういうクリニックこそがレーシック難民を支えてくれているんですね。しかし、そういったクリニックは、日々の業務で手一杯、そもそもお金で情報を動かそうということもしないので真実を明るみにするには美容系クリニックなどにもみ消されてしまうんですよ。それにまがいなりにも同じ医師同士、面と向かって批判はできないものです。実にもどかしいです。

 

 以上を読んでいかがでしたか?かなり長くなりましたが、レーシック手術の成功ってごく限られたものだと思いませんか?そして業界を通して適切な手術コントロールできていない現状でこんな手術続けるべきだと思いますか?これはレーシック手術を受ける人が激減していることからも明らかだと思うんです。でも、受けようと思ったけどやめた人は、自分に被害がなくてラッキーって感じなんですよ。もちろん、それを批判する気はありません。私もそうするでしょう。しかし、少しはレーシック手術に興味を持った身として、または受けてたまたま成功した身として、実はこれってやばい手術でたくさん後遺症を負っている人がいる、後遺症とまではいかなくてもトラブルを抱えている人がいるんだよと声を上げることに協力してほしいんです。救済の手を差し伸べてほしいのです。救済に厳しい、自己責任論が強い日本では難しいかもしれません。ですが、少数派でもいい、少しだけの人でもいいから現状を知ってもらう機会を広げるため声を上げてほしいのです。

 長くなりましたが最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。ブログを読んでくれる皆様がレーシック問題解決の希望の光です。どうかこの問題が広く認知され治療法が確立されますように。私は信じて生き続けます。