Whoops! Lasik!~レーシック手術の落とし穴

レーシック手術を受けた経験から、レーシック手術の落とし穴を語ります。レーシック手術を考えている人は参考にしてください。

ドライアイの治療

 レーシック手術の落とし穴第二弾で取り上げた、レーシック手術の後遺症であるドライアイ。これ、どうやって治療していけばいいんでしょうか、また果たしてレーシック手術によるドライアイは完治するのかについて語っていきたいと思います。

 

 ドライアイの治療、これは一言でいって対処療法だと思います。あくまでも、ドライアイになるメカニズムを根本的に治すのではなく、なったとしても涙を補うという形ですね(後述するムコスタは除きます)。

 

①人工涙液

 この治療法はいたって簡単。目が乾燥して困る?なら涙を足せばいいじゃない、ということです。涙液減少型のドライアイで用いられる方法です。ヒアレインという目薬が良く使われます。ですが、BUT短縮型ドライアイ(涙の質が悪くなって起こるドライアイ)についてはあまり効果がありません。このBUT短縮型ドライアイについては、最近では新しく認可されたドライアイ専用目薬であるジクアスとムコスタを使うことが多いと思います。

 ジクアスとムコスタは地味に効果や使い勝手が違います。ムチンが減り涙の質が悪化するドライアイを治療するため、ジクアスは杯細胞のP2Y2受容体に働いてムチンの分泌を促します。これに対し、ムコスタは杯細胞自体を増やします。涙の質改善のアプローチが違うわけです。使い勝手については、ジクアスがいいです。ムコスタは一回使い切りなことに加え、混濁した液なのでそれを振る必要があります。また、使用後は目がかすんだり、目薬が鼻から喉に抜けてとても苦いという副作用があります。

河本眼科さんのHPが見やすかったです→ドライアイとムチン | 川本眼科(名古屋市南区)

 ヒアレインやジクアスは涙を量を補ったり、質を適宜改善することでドライアイを治療する対処療法です。これに加え、ムコスタは杯細胞自体が増えるので、それにより涙の質が改善されればドライアイが完治することがあり得ると考えられます。

 

②涙点プラグ挿入

 この治療方法は、目頭付近にある涙点にプラグをして、涙をせき止めて目を潤す方法です。目には上涙点と下涙点がありますが、ここから涙が鼻の方に流れていきます。お風呂の栓をしてお湯をためるように、ここに0.5ミリほどの小さなプラグをして涙をせき止めます。主に、涙液減少型のドライアイに対する治療です。これも、ただの対処療法です。挿入するプラグがシリコン製で永久に使用できるものと、コラーゲン製のプラグで1か月ほどで溶けてなくなるものとがあります。この治療法のデメリットは、シリコン製のプラグの場合、脱落してなくなることがあること、涙点の中の涙管に詰まったり、肉腫ができる恐れがあることです。コラーゲン製のプラグの場合定期的に挿入する必要があることです。両者に共通の欠点として、涙点に栓をして涙をためる以上、目の汚れが排泄されずたまることで、眼病にかかりやすくなることがあります。

 

③自己血清点眼

 人工涙液と異なり、涙と全く同じ目薬は開発されていません。しかし、人体では血液から涙を作り出すのであり、そこからヒントを得て、自分の血から涙と同じ点眼液を作ろうというものです。デメリットは、自分の血液から作ることから、定期的な採血が必要であること、この治療法を実施している病院が少ないこと、血清の保存期間が短いことです。

 上記で一般的なドライアイの治療を書いてきましたが、これはほぼすべて対処療法であります。ドライアイは完治が難しいんですね。唯一ムコスタを用いた方法に希望の光が見えるくらいですかね。

 

 さて、これらの治療がレーシック手術後のドライアイに通用するか。私の答えはNOです。以下理由を述べます。

①の方法については、そもそも三叉神経を物理的に切断した目には何の意味もないです。目薬を差している間だけ潤って、その後すぐに乾燥に襲われます。たとえ、ムコスタを使って杯細胞を増やしたとしても、三叉神経が切断されている以上意味がないんですね。結果、ジャバジャバ目薬を使うことになって、目薬だけでアート作品が作れる状況になります。また、目薬をすぐに差さないといけない、それを持ち歩かないといけないこと自体が負担です。レーシック難民で有名なブロガーのレンコンさんのサイトを引用しておきます↓

素晴らしい?アート作品が見られます笑

lasikganni.hatenablog.com

②の方法について、主に涙液減少型のドライアイに用いられます。レーシック手術後は涙液が減少するだけでなく、ムチンも減り涙の質も悪化するため、涙の量が補われても意味がない場合が多いです。また、涙点プラグには涙道閉塞症のリスクがあります。よって、これも適切な治療にはなりえません。シリコンプラグならいつ涙点プラグが取れてしまうかといった心配や、コラーゲンプラグなら永遠の通院と費用がかかることになるんですから。以下、くろねこさんのブログを引用しておきます。

kuroneko.hatenadiary.com

③の方法についてです。ですからさっきから目薬は意味がないと……三叉神経回復してくれよと…それにこれは普通の目薬とは異なり費用がとても高い、頻繁な通院、血液採取という体の負担を考えると効果に見合った治療ではないです。

 

結論

レーシック手術によって発生したドライアイは三叉神経が回復しない限り治りません

 レーシック手術を受けて一時的なドライアイになった人は、その間は目薬などでしのいでますが、これでドライアイが完治したわけではなくて、ただ神経が回復しただけです。神経が回復しなかった一部の人にとっては打つ手のない後遺症なのです。ですから、レーシック手術を行った医院に行っても、目薬処方しましょう。様子を見ましょうとしか言われません。困りましたね……慶応大学さんがマウスを使って角膜の神経が回復する治療薬を開発中とのことです。これにすべてをかけるしかないですかね。

https://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2012/kr7a4300000b5j5h-att/121110_1.pdf

 

 次回は、レーシック手術の落とし穴第三弾!ハログレア編をお送りしたいと思っています。最後までお読みいただきありがとうございました。これを読んでくれるみなさな一人一人がレーシック手術問題の解決のための礎であると信じております。