Whoops! Lasik!~レーシック手術の落とし穴

レーシック手術を受けた経験から、レーシック手術の落とし穴を語ります。レーシック手術を考えている人は参考にしてください。

落とし穴第二弾!

 レーシック手術の後遺症として治療困難な過矯正についてお話しました。今日はレーシック手術の落とし穴第二弾としてドライアイを挙げます。

 

レーシック手術の落とし穴~ドライアイの巻

 ドライアイとは、涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が低下することによって目の表面を潤す力が低下した状態をドライアイと呼びます。

(日本眼科協会HPより引用日本眼科学会:目の病気 ドライアイ

 ドライアイって目がしょぼしょぼするとかコンタクトをする人は良く感じる症状じゃないでしょうか?薬局に行ってもドライアイ用の目薬は何種類もあることからドライアイに悩まされている人は多いんでしょうね。一般的なイメージはやっぱり目がシパシパするとかゴロゴロするとかでしょうか。ですが、中にはドライアイで目が痛いとかヒリヒリするという人もいるのではないでしょうか。

 ドライアイって、結構軽く見られがちですが、実は結構怖い病気ですよ。涙には、目の角膜を潤す作用があります。そして、涙は角膜に近い部分からムチン層と油膜という層になっています。このムチンという物質が角膜の上に涙をとどめる働きをします。そして、油層はとどめられた涙が蒸発するのを防ぐ働きがあります。

①涙の分泌量が低下すれば涙で目全体を潤すことができなくなります。すると、目の表面の全体まで涙がいきわたりにくくなります。道路に打ち水をするときのように水が足りないと広範囲を湿らすことができません。ですから、目に涙の届かない乾いた部分ができます。ここが傷になり角膜の三叉神経が痛みを感じます。

②涙の量は十分であっても、涙の質が低下した場合にも角膜に傷ができ痛みを感じます。まず、涙の質が低下すると、ムチンが不足したり、油が不足するんですね。ですから、角膜の上皮に涙をとどめるムチンが少なくなり涙が角膜からすぐ流れるようになってしまいます。また、油が不足すると油層が保てなくなり涙が早く乾燥してしまいます。これらの結果、角膜の上に涙がとどまっている部分ととどまっていない部分とができ、デコボコな涙液層ができて、乾いた部分には傷ができ痛みます。

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 さて、レーシック手術においては、フラップをめくって、角膜実質層を削ります。角膜実質層の浅い部分には三叉神経という知覚神経が存在します。この神経は体の中の神経でも最も過敏な部位です。そして、フラップを作成することで、角膜の三叉神経が切断され、角膜の知覚が低下するため涙の量が減ったり、涙の質のバランスが崩れてドライアイが出現します(上記①と②の両方が出現しえます)。これはレーシック手術を受けた方は必ず発生する症状です。だって、物理的にレーザーで神経を切るわけですからね。切断された神経は、通常3ヶ月から6ヶ月で元の状態に戻ると説明されています。しかし、多くのクリニックは元に戻るといいますが、2年たっても元のレベルには戻らないというクリニックもあります。例えばこのリンク(少し古いですが)http://www.ganka.com/topics/05011.html

 レーシック手術によって、今まで目に何のトラブルもなかった人がドライアイになったとします。何が起こるでしょう?

 まず、ドライアイ対策として目薬が手放せなくなります。これは、煩わしいだけでなく荷物としてもかさばる。出かけるときにも目薬持って行かなきゃとなり結構目のことが気になりだします。目薬を持って行かないと乾燥したり、目に痛みが出ますからね。そして、そのドライアイが重度だった場合はもっと悲惨です。目薬を差してもさしても目が潤いません。レーシック手術ではレーザーで物理的に神経をぶった切るので、ホルモンバランスや生活習慣から起こるドライアイとは比じゃないくらい症状が重かったりします(シェーングレン症候群の人などは除きます。この病気は物理的に神経を切っていなくとも重度のドライアイが生じます)。こうなると、常に目がいたい!ヒリヒリする!となります。人によっては24時間痛いという人もいますから。現に痛みを感じるだけでなく、光が眩しく見えたり、結膜炎にかかりやすくなったり、目のことばかり気になり集中力が落ちたり、鬱っぽくなったりします。毎度申し上げますが、クオリティーオブライフの低下ですね。ただ、ドライアイについては人によって症状の重さと、自覚との間にずれが生じるので、大したことないって人もいますが…

 正直なところ皆さんの周りにもレーシック手術をした後のドライアイに悩まされている人は多いんじゃないでしょうか。そして、半年たっても治っていない人も多いんじゃないでしょうか。多くのクリニックはドライアイは半年たてば「改善される」という文言を使うことが多いです。こういうことで、「決して完全に治るとは言ってませんから」という逃げ道を作っているんですね。また、ドライアイでコンタクトをするのが辛かったがレーシックをして改善したとかいうレーシックを推奨するサイトや、ヤフー知恵袋での回答などがありますが、あれが真実ならいろいろとやばいです。まず、ドライアイの人にレーシック手術は適していません。なぜなら、前記したようにレーシック手術自体にドライアイを引き起こす問題があり、ドライアイの人はさらにドライアイがひどくなることが予想されるからです。日本眼科協会のガイドラインにも適用を慎重になるべきと書いています(日本眼科学会:屈折矯正手術のガイドライン)。ドライアイの人にも慎重にバンバン手術しているんですかねぇ笑

 それとレーシックを推奨するサイトや、ヤフー知恵袋でクリニックからお金をもらって書き込むいわゆるサクラがあったということも問題視されているのでうのみにしないほうがいいです。とにかく、真実としてはレーシック手術を受ければドライアイには必ずなります。これは物理的になるんです。ドライアイは軽く見ている人が多いですが、実際には重い症状も出るんです。そして、ほとんどの人は半年ほどで元のレベルに戻りますが、中には一生ドライアイが残る人がいます。 こうした説明が必要なんです。私も、半年で元のレベルにもどりますよーって言われたからしたんです。それにドライアイの説明も目が乾くやつですとしか説明されなかったんです。受けてしまってからは後の祭りですが、ちゃんと説明されれば絶対にすることはなかった。だって、ずっと目がヒリヒリすることが一生続くかもしれないんだもの…

  そんなこと少し調べりゃわかるでしょ?って思うかもしれません。実際に医師を信用しきっていた私も馬鹿だったのかもしれません。ですが、世間の多くの人は医師を信用し、自分の体のことには無頓着だったりします。ですから、これからレーシック手術を考える人には、きっちり正しい情報を享受してもらったうえで検討してほしいのです。

 少しヒートアップしてしまいましたが、本日はここまでです。読んでいただきありがとうございました。次回は、ドライアイの治療法についてお話したいと思います。